モチベーションの定義
モチベーションとは、行動の①方向性、②活力、③持続性に、影響を与えるもの(Atkinson,1964,p.2. 入山章栄 訳)
モチベーションとは、才能、スキル、業務の理解度、環境における制約などの条件を一定とした上で、個人の行動の①方向性、②規模、③持続性を説明する、諸処の変数の関係性に関するものである(Pritchard et al.,1976,p.63-130. 入山章栄 意訳)
モチベーションとは人の行動に3つの要素から影響を与えるもの。
- 行動の方向性
- 行動の程度(活力・規模)
- 行動の持続性
モチベーションの種類
- 外発的動機:報酬、昇進など「外部」から与えられる影響で高まるモチベーション
- 内発的動機:「やりたい」といった、内面から湧き上がるモチベーション
職務特性理論(1970年代~)
1970年代にエール大学社会心理学者リチャード・ハックマンらが提唱し、80~90年代にかけて多くの実証研究の蓄積がある。
仕事には、従事する者の内発的動機を高めるものと、そうでないものがある
内発的動機を高める仕事の5つの特性
- スキル多様性:多様な能力を必要とすること
- タスク完結性:その仕事に最初から最後まで携われること
- タスク有用性:その仕事が他の人の生活や人生に影響を与えること
- 自律性:自律性をもって、自分の裁量で仕事ができること
- フィードバック:その仕事の成果を従事者が認識できること
期待理論(1960年代~)
外発的動機を説明する時に使う理論
人の動機は、その人が事前に認知・予測する「期待」「誘意性」「手段性」の3つの影響を受ける
- 期待とは 行動へのコミットが目標達成(成果)に結び付く確率
- 誘意性とは 成果から予想できる見返り
- 手段性とは 成果に見合った見返り(報酬など)に結び付いているか(制度やルールに納得感があるか?)
ゴール設定理論(1960年代~)
期待理論に「ゴール・目標の設定」をモチベーションを高める要素として加えた理論。下記の2つの命題が、多くの実証研究から支持されている。
- 人はより具体的で、より困難・チャレンジングなゴールを設定するほどモチベーションを高める
- 人は達成した成果について明確なフィードバックがある時、よりモチベーションを高める
この2つが好循環したとき、モチベーションをさらに高めることも実証研究で支持されている。
社会認知理論の中のモチベーション(1960・70年代~)
ゴール設定理論の発展形として捉える。高い・チャレンジングな目標を設定しても「十分できそうだ・・」「頑張れば何とかできそうだ・・」「自分はもっとできる!」などの認知(自己効力感)が無ければモチベーションが上がらない。
その自己効力感に影響を与える4つの要素
- 過去の自分の行動成果の認知:ゴール設定理論のフィードバック
- 代理経験:他者の行動や結果の観察
- 社会的説得:周囲からの声援などポジティブな言葉「君ならできる!」など
- 生理的状態:精神・生理的に安定していること、職場ストレスなど
プロソーシャル・モチベーション(2000年代~)
プロソーシャルモチベーション(PSM)とは「他者視点のモチベーション」と言われる。相手の立場に立ち、徹底的に相手のことを考えることができる人はモチベーションが高いという理論
モチベーションのメカニズム
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