若者の就業意識とキャリアデザイン
今、私は週の3日間を大阪府の総合就業支援施設「OSAKAしごとフィールド」で働いている。
ここでの仕事の一部に求職者からの就職相談がある。また、応募企業へ提出する自己PRや志望動機の文章に対するアドバイスや、面接の対策なども含まれる。求職者の年齢層は大学生から定年後のシニアまで幅広く、また、一部の方には発達障害をお持ちで、人とコミュニケーションを取ることに苦労される方もいる。そういった様々な対応をするうちに、私のような者がアドバイスの場にいてよいものかと感じることが度々あった。

しかし、30年余りのサラリーマン経験や転職の経験を抽象化したり、いわゆる就職マニュアル本を読み、自分なりにその本に対しツッコミを入れたりしながら自分なりの考え方を整理してきた。さらに、最近では公的機関やマイナビなど民間会社の若者の就業意識や転職に対する意識調査など統計データに触れることで自分の意見を検証したり、客観性を持たせようと努力してきた。
日本における1990年代後半のバブル崩壊から不良債権処理、(就職氷河期)、そして、2005年頃からの景気回復、2008年のリーマンショック、2011年3月11日の東日本大震災、2016年10月の電通の女性新入社員自殺の原因が過重労働労災認定、そして、2019年4月働き方改革法施行、副業・兼業認定。これらの社会経済的な流れや背景に若者の就業意識は大きく影響を受けていることが各種アンケートや統計データから見て取れる。
若者の就業意識の大きな傾向としては、大前提として安定雇用と安定収入があるものの、景気の高低により「楽しく働きたい」が高低する。また、東日本大震災以来、「人のためになる仕事がしたい」の傾向が高まっているのも特徴的である。さらに、昨今ではワークライフバランスの意識が大きく高まっている。


2019年卒マイナビ大学生就職意識調査のグラフに筆者が追記
比較的体力があり、考え方が柔軟な企業は、このような社会的要請を受けて広義でのCSR活動に力をいれたり、残業削減や年休取得のしやすい取組み、人事制度の見直しを行っている。
では、これから働きたいと考えている求職者はどうすべきか。どのように考えて行動すべきか。私は、今のところ以下のように整理している。
■自己理解
1 “あこがれ”を大切にする
2 “好み”を大切にする(やはり好き嫌いはある)
3 人から評価されていたことを思い出す
4 適性検査の結果(客観的データ)で自己分析してみる
■会社理解と業界理解そして仕事理解
5 気になる会社は、業界の中でどんな役割を果たそうとしているか
6 業界も社会の中でどんな役割を担っているか理解できたか
7 気になる会社は、その業界において戦略を持っているか
8 気になる会社はどのような仕事っぷりを求めているかイメージできるか
9 人事担当者とのやり取りの中で、これまでの会社理解とギャップはないか
10 この会社で、こんな仕事をして頑張ってみたいという気持ちが湧いてきたか
11 自分が学ばなければならないことがイメージできるか
■経済的、精神的セーフティーネット
12 何事も余裕をもって、早め早めに準備する、実行してみる
13 追い詰められて判断してはいけない
14 入社後に感じるギャップは「想定の範囲内」・・・ぐらいの余裕を持って!
15 就職と退職は人に相談する、または相談できる環境を準備しておく
就業意識とは社会的環境から影響を受け変化しやすいものであることは統計データからも見て取れる。一方、キャリアデザインとは、その時々の就業意識に、自分の意思決定を加えたものである。つまり、「自分で決めたこと」である。しかし、頭で考えたことは実際にやってみるとほとんどのことがその通りに行かない。うまくいかない。
だから私は、少しずつ行動する、うまく行かないことを重ねながら、次の行動のアポイントを取って行くことがとても重要であると思う。この繰り返しこそが自分のキャリアデザインのブラッシュアップであり、上で述べた、「相談できる人を増やす」、「相談できる環境を準備しておく」ことに結びつき、自分の考え方も前向きになっていることに気づくのではないかと思う。
以上
