優秀な営業は「情報の非対称性」を操る!?

先月、私にとって良い本に出会いました
「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社 入山章栄氏 著) です

簡単にこの本を紹介すると
世界の経営学界で支持されている経営理論を30個、厳選して選び出し 純粋に理論をわかりやすく解説する本です

第1部経済学ディシプリンの経営理論 第5章「情報の経済学①」で下記のような説明があります
・経済学の前提は、「人はおおむね合理的に意思決定をする」
・経済学でいう完全競争の一つの条件である「情報は顧客や同業他社に瞬時に知れ渡る」は現実のビジネス取引には当てはまらないことが多い
・つまり、知っている人は得をし、知らない人は損をすることが良く起こる
・同じことに対して、知っている人と知らない人がいる状態のことを「情報の非対称性」という

この「情報の非対称性」により、ウソをついて儲けようという衝動が出ないようにする対処を 取り入れている事例がいくつもあります。

・メルカリの中古品のCtoCビジネスを支える取引システム
・中古車流通ビジネスにおける査定システムの見える化
・保険商品の補償が大きく保険料も高い商品と、補償が小さく保険料も安い商品を選択できる品揃え
・会社がISOの認証を掲げること

しかし、私がこの「情報の非対称性」で思い出したのは、私の前職でのBtoB(G)営業をしていた時の営業戦術やプロセスです

新規開拓段階では、自社を信頼してもらうための営業行動を起こし
仕様化、予算化、受注推進段階では、競合他社も気が付いていない、案件情報を収集し、見極める力が重要であった。 そして、受注を獲得する

つまり「情報の非対称性」を操れるものが優秀な営業です

逆の言い方をすると

営業が弱い会社は「情報の非対称性」を思考の軸とし、活用できていないビジネスプロセスになっていることが原因ではないか?と言えないでしょうか?

ひとつの経営理論で、すべてのビジネスの現象を説明はできないが、ビジネス現象を思考の軸を使い、切り出すことによって問題点をシンプルに見つけることは可能かもしれない