経済学を学び直したくなった理由

最近、地上波やインターネットのニュース番組で、日本経済の現状や推移、他国との比較などが説明されます。コロナ対策や経済対策で政府の対応を批判するもの、日本人の性格、気質を理由にして消費低迷を説明するものなどさまざまです。

YouTubeに出てくる経済評論家は、マスコミの説明やテレビに出てくるコメンテーターの発言に異議を唱えている場面をよく見かけます。YouTubeも注意しなければならないのは、私が比較的多く視聴してるコンテンツなどから指向を分析して、コンテンツのレコメンドをしてくるので、私の思考も偏りが出てくる可能性があります。

このような状況をよく思っていなかった私は、基本に立ち返るためにはどうしたらよいかと考えるようになり、最も普遍的な知見として「マクロ経済学」「ミクロ経済学」を学び直そうと考えた次第です。

中小企業診断士一次試験の受験科目に「経済学」があり、「経済学」の中に出てくる理論を学び、経済現象を数式やグラフで矛盾なく説明できる痛快さを思い出したことも理由の一つです。

参考にしている書籍

私は経済学を勉強するのにとても気に入っている参考書があります。

現在は2019年に2nd editionが出版されているようなので、お買い求めになられる方はご注意ください。

この本は、公務員試験、中小企業診断士試験、公認会計士試験など「経済学」が受験科目にあり、その「経済学」を基礎から積上げるように学びたいと考えている方に向いています。

さらに、書籍の目次に沿ってYouTubeによる解説動画が収録されており、無料で視聴することができ、理解を深めることができるのも気に入っている理由の一つです。

経済ニュースを「マクロ経済学理論」で切り取る

2022年4月28日、日銀の黒田総裁は、金融政策を決める会合のあとの記者会見を行いました。大規模な金融緩和策の姿勢を継続する意思を示した形となりました。

参考:

日本銀行ホームページ > 金融政策 > 金融政策決定会合の運営 > 当面の金融政策運営について(2022/4/28)

日本銀行ホームページ > 金融政策 > 金融政策決定会合の運営 > 経済・物価情勢の展望(2022年4月)

このニュースを理解するためには

  • IS-LM分析(財市場と貨幣市場が同時均衡する利子率と国民所得の分析)
  • AD-AS分析(財市場、貨幣市場、労働市場の同時均衡する物価と国民所得の分析)
  • 外国為替レート

この上記マクロ経済の理論を最低限学ぶ必要があります。

マスコミ報道やニュースバラエティー番組では「悪い円安」というネガティブな表現を使い、あたかも今、「円高のための経済政策が必要」のようなイメージを与えています。

しかし、日銀が「物価安定の目標」2%を掲げいますが、日銀政策委員の2022年消費者物価指数<除く生鮮食品、エネルギー>見通しは+0.8~+1.0%であるから、日銀のできる金融政策は4月28日の発表内容となったことが理解できます。

欧米の消費者物価の過熱(インフレ)懸念から、金融引き締めを行うという金融政策の違いから、結果として円・ドル為替レートに影響が出るのは当然のことである。

経済学を学び直すことの意義

上述のように、一つのニュースを取り上げるだけでも、たくさんの経済理論を駆使しなければ、切り取ることができません。さらに、経済の現象を切り取り、自分なりに今の経済政策の良否を評価することができます。

上述の例をさらに考察すると

日銀の金融政策を「妥当」とすると、他にどのような経済政策を打たなければならないかを検討することができます。

  • 政府による拡張的財政政策(流動性のわなでクラウディングアウトは発生しない)
  • ウクライナ侵攻と円安が原因で価格が上がっている輸入資源に対し政府支出を行い価格を下げる(コストプッシュインフレを抑え、価格転嫁できない中小企業の収益圧迫を防ぐ)
  • Withコロナの経済政策(特に飲食・観光)のロードマップを提示する
  • 消費税減税を時限的に行う

などを理論的に導き出すことが可能になります。

理論が使える強み

経済ニュースやニュースバラエティー番組の受け売りではなく、経済理論を駆使し、自分なりの説明をし、是非を評価する。この思考プロセスが使えることは、他社との差異化になる。もし、自分なりの答えが他社と異なっていたとしても、議論し、どの部分の理論の使い方や解釈が異なっていたかを検証することができると思います。

マクロ経済学、ミクロ経済学の学び直しにはもうしばらく時間がかかります。繰り返し学ぶことをこの場でお約束したいと思います。