あなたの給料は何に対して払われているのか?

会社勤めをしていた時は、何気なく、毎月受け取っていたお給料。

最近、賃金について、いろいろと学ぶ機会があり、当時、私の「給料」は何に対して支払われていたのかを改めて考えてみました。

給与の分類

給与には種類があります。代表的なものでは

  • 年功(年齢)給=勤続年数に応じて支払われる給与
  • 職能給=職務遂行能力のレベルに応じて支払われる給与
  • 職務給=仕事の種類によって支払われる給与
  • 成果(歩合)給=一定期間の実績に対して支払われる給与

などです。

では、新卒採用者に支払われる給与は、何給でしょうか?私の思うところでは、「生活給+可能性給」といったところでしょうか?

以上のように、「給与」には、それぞれの価値の測り方があって、その価値に対してお金を支払っているということがわかります。

給料が安い!高い!

企業が給与を決める際、各都道府県ごとに出ている最低賃金を下回ることはできません。さらに同業他社の賃金水準を参考にします。また、企業は自社の賃金テーブルをもっており、そのテーブルに照らして賃金を決めます。中小企業の社長が、独断で社員ごとに給与額を決めているという話も聞きますが、社長の頭の中には賃金テーブルがあるのだと推測できます。

労働者側から見ると、「入社後5年は低かったが、それ以降は満足いく給料がもらえるようになった」という話もよく聞く話です。

給与の安い・高いは、労働者側本人の相対的比較の評価であり、評価してほしい「価値」の種類と基準が異なっていることが、主な要因ではないかと思います。

働き方の多様化の中で賃金をどう見るか?

日本の教育制度とキャリア形成に対する考え方が変わらなければ、新卒一括の流れは変わらないと思いますが、昔のような終身雇用の考え方は少なくなり、定着してもらうための多様な働き方の選択肢を準備しておく会社が増えていると思います。副業を認める制度、他部門へのチャレンジ異動制度、ジョブ型人事制度なども多様な働き方を認める例と言えます。

また、昨今のインターネットやクラウドを活用したマッチングプラットフォームビジネスが人材分野で盛んに出現しており、転職の情報が誰にでも入手することができるようになりました。

このように考えていくと

私の「今、その職務で発揮できるパフォーマンス」を価値としたとき、いくら支払ってくれますか?

これが給与になります。

企業は、その価値を測りやすくするため、職務内容や求める成果を定義(職務定義)し、その職務に給与額を提示する、お品書きを準備し、人材を募集するようになります。これがジョブ型人事制度への流れです。

当時、私の「給与」は、何に対して支払っていたのか?

最初の問題提起に戻ります。

答えは、「年功(年齢)給」+「職務遂行能力給」です。

勤続年数(年齢)に応じた生活給+仕事に投入できる能力(成果を出してくれるであろう期待)を価値として測り、賃金を決定していました。

結び

今後の給与の主流は、「職務(果たしてほしい役割)給」+「実績・成果給」になります。

私がまだ務めていた時代は、会社に甘えることができた時代なのかなと感じます。

健康寿命がますます長くなり、生産年齢人口は減るものの、労働人口を増やさなければならない社会経済環境の中で、いつまでも自分の技能に磨きをかけ、実績・成果を残しながら、キャリア形成を続ける人を増やしていくことが、大変重要であると考えています。