キャッシュフロー分析は大切

ものづくり補助金(8次:11月11日申請締切分)の事業計画作成のお手伝いをしておりました。11月5日に事業計画案を作成し、クライアントとその内容について議論をしておりました。

ものづくり補助金 事業計画数値の策定のヒント

ものづくり補助金の事業計画は、3年から5年の事業計画を策定することとされており、要件として付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加させなければなりません。

過去の損益計算書だけを見て、付加価値額を年率3%ずつ増加させる収支計画を作成することは簡単なことですが、キャッシュフローと現預金残高の推移を一緒に見ていくことが大変重要であると思う。

キャッシュフロー計算書の3年から5年の計画を作るためには、さらに詳細の情報を入手する必要がある。

  • これまでの減価償却が必要な有形固定資産の明細と減価償却費を計算するための根拠
  • 事業計画期間中の有形固定資産への投資とその減価償却費の計算根拠
  • 事業計画期間中の既存借入金の返済額(元本)と支払利息
  • 事業計画期間中の新規借入金とその返済額(元本)と支払利息

最低でも、これくらいの情報が必要である。

付加価値額を年率3%ずつ増加させる収支計画を策定しても、現預金残高が無くなってしまっていることがあるので注意が必要である。

過去の流動負債から、最低限、期末に残しておくべき現預金残高を念頭におきながら、当期純利益をどのくらい残さなければならないか。

必要な当期純利益から逆算して、販管費は妥当性があるか、売上原価、製造原価に見直すべきポイントがないかを探していくことが重要である。

ものづくり補助金の事業計画の場合、製造原価内の労務費と販管費内の給与は年率平均1.5%ずつ増加させていく必要もある。

最後に

そのような、全体バランスの中で、適切な売上目標と利益率を求めていくことになる。

ビジネスモデル構築やマーケティングも重要であるが、財務分析そしてキャッシュフロー分析がやっぱり大切であると思う。