中小企業のIT化に役立つこと
今回は、中小企業のIT化について、最近整理したことを述べたいと思います。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とか言っていますが、OA⇒IT⇒ICT⇒DXみたいな感じで、デジタル技術を活用し、仕組みを変えていくことの言葉として変遷してきています。
中小企業白書では、中小企業の生産性が低いので、デジタル化、IT化という流れですが、本質は、売上高に対して付加価値率が低い、労働時間に対して付加価値額が低いということです。IT化が目的になってしまってはいけないということを再度確認しておきます。
国の中小企業IT化支援のためのポータルサイト
さて、国が中小企業の生産性向上を目的として、IT化の推進に取り組んで久しいと思います。
中小企業基盤整備機構が、2019年3月に「ここからアプリ」というサイトを立ち上げています。
このサイトは、中小企業や小規模企業が、自社に合ったITツールを探すためのコンテンツを豊富に取りそろえたものです。業種×「何がやりたいか?」を選ぶことで、一定の審査基準を満たしたITツールの製品が、一覧表示され、その概要が説明されます。中には納入事例や解説動画がついているものもあります。
ITツール導入の考え方
下の図1は、よく見たり、聞いたりするデジタル化ツール、中小企業が利用しやすいクラウド型のシステムの一部を紹介したものです。
対象となる業務やテーマ毎にさまざまな商品があることがわかります。
図2は、そのツールを業務の整理や分析が必要なもの、業務の切り出しが必要なもの、そして、とにかく使ってみたほうが良いもの、に分類して並び替えてみました。
左側の業務の整理や分析が必要なツールについては、カスタマイズが必要になったり、運用サポートが必要になるものが多いので、コスト高になる傾向があります。よって、導入時には慎重に取り組むべきであると思います。しかし、導入後は業務プロセスに無駄がなくなり、効果が時間とともに出てくると考えられます。
ITリテラシーを持つ人材の大切さ
どのような簡単なITツールであっても、社内に導入するとなれば、使う人のITリテラシーが高いほうが良いに決まっています。会社内のITリテラシーの高い人、業務の流れを整理したり、IT化の目的にさかのぼって、必要な機能を選択できる人を中心に、ITツールの導入を推進されることをお勧めします。年配のベテラン社員の皆さんは、若い人に任せる度量の広さと、自分自身も積極的にITツールを使いこなそうという気持ちが大切です。