Withコロナがもたらすマネジメントへの影響

やむを得ず取り組んでいる在宅勤務、テレワーク、打合せはWeb会議、広報・販売促進もメール、ビデオ通話。

巷では在宅勤務でも仕事ができる、在宅勤務で問題ないと言われていますが、本当に今のままの在宅勤務を続けていて問題ないのでしょうか?

ビジネスとは顧客に商品やサービスを届け、それを価値として認めていただいたときに限り対価をいただくことができる。対価を得て、儲けなければキャッシュも増えないし、次の投資もできない。

今の在宅を続けることで、基本的ではあるがこの企業が存続するプロセスを在宅勤務でどこまで回すことができるのか?ビジネスプロセスを再点検する必要があると思います。

Withコロナでの経営活動の制約条件

それは、【3密を避ける】ことに他なりません。

この制約条件は、不注意や気の緩みによって、すぐに越えられてしまいます。

よって、この制約条件下で、どのような課題が想定されるのか、創造性を働かせ考えてみたいと思います。

課題1 「不注意・気の緩み」への対策

どれだけ注意喚起しても、人間には不注意や気の緩みが起こるものです。

この取組みは労働安全衛生や情報セキュリティの取組みに共通するものがあります。物理的対策、制度的対策、ヒヤリハット運動、リスクアセスメントなどの手法を取り入れ、職場やビジネスプロセスの中で「3密」が存在するか洗い出し、できるものから対策を打っていきましょう。

総務部門だけでなく、全社を巻き込んで洗い出し、対策、見直しを繰り返すことが良いと思います。

課題2 課題1を前提とした既存ビジネスプロセスの見直し

企画・開発・設計~調達~製造~販売促進~受注~物流~アフターフォローの主活動と事務管理のプロセスを見直す必要があります。

既存事業(現行商品・サービス)の売上を維持(又は挽回)する必要がありますが、課題1を前提としたとき、省けるもの、オンライン化できるもの、デジタル化できるものを洗い出し、すぐできるものから実験的に取り組んでみましょう。

ここでも、現場をしっかりと参加させて、既存のビジネスプロセスを変えることで、既存事業の効果性や効率性を向上させるような改善意識が芽生えてくれば、さらに良い結果が得られると思います。

課題3 Withコロナでの新たな需要を見つけ、自社のリソースと結びつける

価値観の変化の兆し…密から疎へ 都会から地方へ 集中から分散 公衆衛生意識の高まり 在宅勤務・テレワーク・オンライン教育 キャッシュレス 固定費削減 手元資金重視 公的申請手続きの増加 SNS・動画サイトのさらなる広がり 介護、福祉現場の変化 小中学校 高校 大学の教育環境の変化 消費意欲の減退 国内海外観光の変化 府県国を越える移動制限 医療施設や従事者の疲労、疲弊 スポーツ・文化・芸術・エンターテインメントの楽しみ方 など 様々な変化が顕在化してきています。

この変化のなかで自社のリソース(経営資源)を活かすことのできるニーズを発見していく行動が大切です。

課題4 成果を定義し、仕事をデザインし、チーム編成を行い、チーム目標を定義する

課題1・2・3で様々な取組みが見つかると思います。

「ビジネスとは顧客に商品やサービスを届け、それを価値として認めていただいたときに限り対価をいただくこと」と述べました。あくまでもビジネスの目的は「顧客(企業)が自分にとって価値があると感じてもらえる商品やサービスを届けること」である。

そこから成果を定義し、仕事をデザインしましょう。

コロナ禍前と仕事が大きく変化していることもあると思います。

チーム編成やチーム目標が、コロナ禍前と同じで良いのか再度見直しを行い、新たなチーム目標を定義しましょう。

課題5 チーム全員で取組むべき仕事を再点検し、目標を再設定する

ここまできたら、各個人の視点で考えてみます。さて、今の在宅勤務でやっている仕事は今のままで問題ないでしょうか?

資料作りが仕事になっていませんか?Webミーティングが仕事になっていませんか?

チームの責任者はチームの仕事を再点検し、メンバーに課題を投げかけてみてください。メンバーの視点が変わるはずです。

マネジメントに関わる、その他留意点

・決して在宅のための仕事をつくってはいけない。仕事の中身が変わる可能性が高い。

・在宅勤務中心の従業員に対する人事評価は人事部門で再点検の必要がある。

・目標管理を運用している組織は、各個人に今の目標管理に上記課題を切り口に見直しが必要になる。

「3密を避ける」制約条件を前提とした、新しい働き方でオフィスのあり方を含めた労働環境も変わることが予想されます。部下の顔色や雰囲気から、細やかに部下をフォローしていたリーダーにとっては、手探りの時期が訪れていると思います。