この状況、いつまで続くのか?

世界の新型コロナウイルス惨状は、感染者数121.8万人、死者6.8万人超え(4月7日11:00現在 日本経済新聞 新型コロナウイルス感染世界マップ)となっています。

日経平均株価が18,000円台(4月6日現在)、東京オリンピック2020が延期、国をまたがる人の移動はもちろん、国内でも外出そのものが禁止、街は商業活動停止など誰も経験していないことが次々に起こっています。このブログが投稿されるときには、政府から東京、大阪など都市圏に対し緊急事態宣言が出ていると思われます。この状況を2020年の年始に誰が予測していたでしょうか?

1つの現象を見て10のことが予想できる人と1つの現象を見て2つのことしか予測できない人がいると思います。

これは、それまでの経験で知ったことや、他の人の経験を見たり聴いたりしたこと(代理経験)の差といえます。

上の例で、2つのことしか見えなかった人も、新たな行動を起こし、新たな経験をすることにより、1つの現象を見て、3つ以上のことが予想できる可能性があります。

このことは、その時に満足できる選択(経験)→新たな認知→次に満足できる選択(経験)→新たな認知・・・の繰り返しが重要であるということです。

新型コロナウイルスの影響を受けた経営環境を乗り切るために、私が経営者の皆さまに今、お話しできるとすれば「予測して行動すること」につきます。

大変なご苦労が多いことは確かですが、今回の予測は、日頃の不確実な経営環境で舵取りをされている経営者の皆さまからすれば、十分対応可能と私は確信しています。

まずは現状の認識

<時間>

  1. ワクチンや薬の開発に1年程度必要
  2. 根本的解決は1年後と一旦考える
  3. 根本解決後は徐々に経済活動は元に戻ると仮定する

<社会、生活>

  • イベントなど沢山の人を同じ場所に集める経済活動は自粛
  • 観光など人の移動が制約される
  • 外出自粛により、リアル店舗での小売、飲食、宿泊、サービスの経済活動は制約される
  • 巣ごもり需要が増加・在宅勤務、web会議、動画配信などが一気に普及
  • 食品、日用品の需要増加
  • 東京オリンピックが来年7月以降に延期(中止ではない)
  • 将来の不安、消費よりも貯蓄
  • タレントや著名人の感染や死亡報道により、さらにリスク感度が高まる

<経済、雇用>

  • 世界的GDPの押し下げ(特にEU、米)
  • あらゆる生産活動の縮小
  • 設備投資の見送り
  • 大企業から中小企業への経済的波及
  • 業種間での繁忙感の格差
  • 雇用維持が困難、一方では人手不足の業種業界もある

<政治>

  • 新型コロナウイルス感染対策、緊急事態宣言の影響
  • 総合的な経済対策の状況(日々更新される)
  • 世界各国での感染防止の連携、経済対策の連携
  • 国、都市、地方の感染防止対策の連携

<自社の状況把握>

  • これからの1年間で影響及び制約を書き出す
  • 経営層、従業員及びその家族の感染リスクを洗い出す
  • 得意先(顧客)、仕入先、協力会社の状況を把握する
  • 現業の売上規模は1/2になるのか1/3になるのか?(最悪の状況で考えておく)
  • 雇用は維持を前提とする。採用については人数を減らすのか、延期するのか?
  • 計画中の設備投資は続行か延期か?
  • 今後1年間の資金繰り(現預金残高、収入額、支出額)を見積もる。
  • 今後1年間の資金調達額(直近3ヶ月の必要額とそれ以降の必要額)を見積もる。
  • 使えそうな制度について、公共機関の相談窓口に相談し、情報を収集しておく。(申請書類に相当な手間がかかります)
  • 経済産業省新型コロナウイルス関連支援策情報HP  厚生労働省雇用調整助成金HP
  • 上記で見積った資金繰り表にもとづき、取引のある銀行、信用金庫に相談する。

次に行動です

上述の現状認識を踏まえ、まず「重要×緊急」タスク、続いて「重要×緊急でない」タスクを見極めます。

区分緊急でない緊急
重要この1年間の資金確保
今後の営業キャッシュフローの確保と予測
今後の借入金返済額全てを書き出し、資金の不足額を見える化し、新たな資金確保額を算出する
当面3ヶ月の資金確保
・融資や助成の諸手続き
・従業員感染リスクへの対策

従業員の雇用に対する対応及びケア
(注)さらに優先順位付け
重要でない・3~5年後の取り組み
・事業領域でのICT利活用の模索
・噂に右往左往すること

重要なことは、上記で見極めたタスクをまず行動に移すことです。

行動することで認知の領域がさらに拡がり、新たな行動の選択肢が見えてくるからです。

私自身も見えていない(予測できていない)ことが沢山あります。行動しましょう。

経験による認知と客観的事実や理論にもとづきキャッシュフロー(CF)を止めないよう更なる行動をしましょう。

私にお手伝いできることがあれば、メールや電話でご連絡ください。Zoom(Web会議ツール)を使った打合せも簡単にできます。

最後に外出そのものが制限されている状況です。経営者の行動についても、くれぐれもご注意しましょう。うつされるリスク・うつすリスクの両方を考える必要があります。お互い気を付けてまいりましょう。

以上